ミステリのおすすめです。短編集で古典的ですがぜひ読んでいただきたい!
内容紹介より引用
弁護士、暗号専門家、作家、化学者、画家、数学者の六人からなる〈黒後家蜘蛛の会〉と給仕一名は、月一回〈ミラノ・レストラン〉で晩餐会を開いていた。会では毎回のようにミステリじみた話題が出て、会員各自が素人探偵ぶりを発揮する。だが常に真相を言い当てるのは、物静かな給仕のヘンリーだった! SFの巨匠アシモフが著した、安楽椅子探偵ものの歴史に燦然と輝く連作推理短編集が、読みやすい新装版として隔月で刊行開始!
アイザック・アシモフ
アイザック・アシモフ Photo by Phillip Leonian from New York World-Telegram & Sun |
著者はアイザック・アシモフ (Isaac Asimov) (Wiki)。
アシモフは(1920年1月2日–1992年4月6日)は、ロシア・ソビエト連邦社会主義共和国のペトロヴィッチ生まれで、1923年にアメリカに移住し、そののちにアメリカ市民となった作家であるが、むしろ本業は生化学者であり、ボストン大学教授を務めている。
アシモフは1992年4月6日に、心臓バイパス手術の際に使用された輸血血液がHIVに汚染されていたことから感染して発症したエイズにより亡くなっている。
著作は 500 を超えており、科学、言語、歴史、聖書など多岐にわたるが、一般向け科学解説書とSF、ミステリが特に有名である。
アシモフの作品
SFシリーズ「ファウンデーションシリーズ」は、ギボンの「ローマ帝国衰亡史」にヒントを得てかかれた、宇宙スケールの銀河帝国の崩壊と再生の物語で大変に有名である。
短編集「われはロボット」(I, Robot, 1950年)、「ロボットの時代」(1964年)は「ファウンデーションシリーズ」と同時期の作品であり、ロボットの倫理規則=ロボット工学3原則を広めたことでも有名である。
「われはロボット」は映画化されたことも記憶に新しい…ウィル・スミスよかった。
アシモフはSFで名をはせているが、ミステリ作品もあり、実はこれらの評価も高い。
アシモフの推理小説
アシモフのミステリ作品には「黒後家蜘蛛の会」、「ユニオン・クラブ奇談」の短編からなる各シリーズと長編ミステリー「ABAの殺人」、「象牙の塔の殺人」がある。
「ユニオン・クラブ奇談」シリーズはクラブで話されるパズルストーリーで、探偵役グリズウォルドは傲慢な人物として描かれている。
「黒後家蜘蛛の会」シリーズ
アシモフの純粋ミステリの代表作はなんといっても、この「黒後家蜘蛛の会」シリーズである。実在の「トラップ・ドア・スパイダース」という会をモデルにしたものである。
このシリーズは純粋なパズル・ストーリーであり、盗難事件や暗号解読など日常的な話題が主体となっている。探偵役の給仕であるヘンリーの知識とひらめきが冴える。
このシリーズはすべて短編で合計66作があるが、60作が出版された。残りの6作はアシモフの死後に「The Return of the Black Widowers」として出版されている。
シンプルな純粋ミステリ、パズルストーリーとして秀逸
本シリーズはとにかく純粋ミステリのうち、パズルストーリーとして秀逸である。無理がある回がないわけではないが、あぁやられた、というようなミステリで構成されている。ちょっと時代を感じさせ、ちょっと間抜けな「成功している」紳士たち…。
そして、探偵役の冴えわたるひらめきと知識。
純粋ミステリ短編をお探しなら、ぜひ、おすすめしたい。
よい。★★★★★ (5/5)。
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